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オリジナルシート技術資料

 シートには滑雪剤を練り込んでいます。降雪時に一定以上の雪が積もりますと、雪はその自重で滑雪します。

 大量に降り積もる前に滑雪現象が起こりますので、構造物に過度の負担をかけることを防止できますし、

突然の落雪による事故防止にも有効です。

1.背景

 滑雪シートに使用している添加剤は、撥水剤ではありません。フッ素コートやシリコン等の撥水剤は渇水効果に優れていても、降雪条件での滑雪効果には対応できないのです。

 そこで、滑雪シートは、一定以上に雪が降り積もらない様な、滑雪処理を施しました。

2.撥水材料

 撥水剤は自動車のウィンドウにはシリコン系撥水剤が良く使用され、鋼板や繊維にはフッ素系撥水剤が使われています。

3.滑雪シートの原理
(1)表面状態による滑雪効果

 滑雪シートに練り込んだ添加剤は親水基を外側に向けた状態でブリードアウトします。

 上記の状態に於いては、優れた撥水性能を発揮します。また積雪時にはブリードアウトした添加剤が雪と一緒に流れ落ち、内部に埋もれた添加剤が再びブリードアウトして滑雪層を形成します。

 

 

 

(2)親水効果による滑雪効果

 水の共有結合角度は平均104.3°であり、氷のそれは109.5°です。水が凍った際体積が増えるのはこのためであるが、言い換えれば氷に外力を加えて結合角度を109.5°から104.3°にしてしまえば、水は氷点下でも氷になることができないと考えられます。

 雪が積雪した際、雪は、その自重でシートとの界面に圧力が生じます。圧力が上昇すればシートと雪の間に水の層が形成されます。この事は滑雪効果をさらに効率的にします。

(注)シート表面に均一な水膜が形成されると滑雪効果が出るように工夫しています。
4.性能評価

 気温の影響による滑雪性の試験を2種類の評価法で測定しました。

試験1:角度変動式

 シート上に5cmの雪が積もった状態で実験台を傾けていき、雪が滑り始める角度を計測

サンプル/外気温
−6°
−25°
滑雪シート
2.5度
7.5度
ソフト防炎シート
6.0度
10.5度
ブルーシート
滑雪しない※1
滑雪しない
 
試験2:角度固定式
 12°の角度に固定した実験台にシートを張り、雪が一定量積雪する前に滑雪するかを確認。
※傾斜の最高は18度
サンプル/外気温
−6°
−25°
滑雪シート
×
ソフト防炎シート
×
ブルーシート
×
×